慢性硬膜下血腫に対する穿頭血腫ドレナージ術の手技ミスで患者に言語障害、記憶障害の後遺症を生じさせたことについて、病院側が2000万円支払うことで示談が成立した事例

事案の概要

患者さん(50代、男性)は、凍結した路面で転倒し、相手方病院で頭部CT検査を受けました。そして、検査の結果、急性硬膜下血腫、脳挫傷の疑いで入院することになりましたが、その後に頭部の血腫が縮小していったため、退院して経過観察となりました。ところが、受傷から2ヶ月後にMRI検査を実施したところ、病態は改善されておらず、慢性硬膜下血腫と診断され、急遽、穿頭血腫ドレナージ術を受けることになりました。

この手技の内容は、頭蓋骨に約1㎝の穴を開け、チューブを差し込んで血腫を吸引した後、血腫腔を生理食塩水で洗浄するというもので、脳神経外科の分野では難しいものではなく、危険性も低いとされていました。しかしながら、術後すぐに、この患者さんには言語障害、記憶障害の後遺症が残ってしまったのです。

医師は、患者さんに対し、当初から、不可抗力による合併症であるという弁解に終始していたため、双方が弁護士を立てて話し合うことになりました。

弁護士の方針・対応

協力医の意見によれば、この手術は難易度が低く、研修医レベルでも実施可能なもので、本件では、チューブを挿入する際に、手技ミスにより、硬膜のみならず、その下のくも膜や軟膜を貫通し、脳実質を傷つけたとしか考えられないということでした。そこで、この協力医の意見を基に、病院側の弁護士さんと交渉しました。協力医の意見を前提とする限り、医師の過失は明らかで、提訴しなくても話し合いで解決できる可能性が高いと考えたからです。

結果

病院側の弁護士さんは、過失の点に関しては積極的に争ってこず、2000万円で示談が成立しました。

この事例では、協力医の意見が解決の大きな決め手となりました。一般に外科領域の医療ミスでは、医師の過失(手技ミス)を立証するのは難しく、裁判を起こしても患者側が敗訴することが多いのです。

執刀医が実際に行った手技の具体的内容は、術中ビデオでも撮影していない限り、執刀医本人にしかわからないからです。もし協力医から的確なアドバイスをもらっていなかったら、訴訟をしても敗訴していたかもしれない事案です。

この記事の監修

弁護士法人ALG&Associates 代表執行役員  医学博士 弁護士 金﨑 浩之
弁護士法人ALG&Associates 代表執行役員医学博士 弁護士 金﨑 浩之
東京弁護士会所属。弁護士法人ALGでは高品質の法的サービスを提供し、顧客満足のみならず、「顧客感動」を目指し、新しい法的サービスの提供に努めています。

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