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医療に強い弁護士の探し方

医療に強い弁護士の探し方(医療事故・医療ミスの法律相談の前に)

医療に強い弁護士の探し方

(とても大事なので、しっかりお読みください)

日本においては、医療事故・医療ミスの分野に強い弁護士が非常に少ないというのが残念ながら現状です。これは”何でもできるのが弁護士である”という考え方が弁護士業界の歴史において支配的だったからです(今もあまり変わりません)。

つまり、離婚、刑事、交通事故、債務整理、企業顧問など、何でもできるのが弁護士であり、その中の分野として医療事故・医療ミス(弁護士などの専門家は、”医療過誤”と呼びます)も位置づけられてきました。

しかしながら、法律や医療の専門家でなくても、医学や医療に特殊な法律問題に詳しい弁護士でないと、医者や病院とちゃんと闘えないということは、容易に想像がつくと思います。

私たちも医療裁判を起こすとき、カルテなどの診療記録を熟読するのは当然ですが、膨大な医学文献や医学論文を証拠として提出して、大変な医学論争に発展していくのが普通です。

なので、このような医療裁判をしっかり行える弁護士を選ぶことが、依頼する人にとってとても大切なことなのです。

また、仮に医療事故・医療ミスの分野の経験が多少あったとしても、もうひとつ、弁護士を取り巻く仕事の環境として問題点があります。

それは何かというと、大量の医学専門書を取り揃えている法律事務所がほとんどないという点です。

これは、一般的に法律の専門書と比べると、医学の専門書がとても高額であることや、様々な分野の医学専門書を揃えるとなると、膨大な数になるということにあります。

弁護士さんの中には、医学部の図書館や弁護士会の図書館を利用している人も大勢いますが、これでは迅速な事件処理の妨げになります。
医療事故・医療ミスの問題に腰を落ち着かせてじっくり取り組める職場環境も実はとても大事なのです。

さらに、もうひとつ大切な視点があります。
それは、その弁護士さんの医療専門弁護士としてのご経験がどのくらいあるのか、という問題です。
どうしても、素人である依頼者の方たちは、弁護士としての経験年数を気にする傾向にあります。
でも、ここにひとつの落とし穴があります。

例えば、仮にある弁護士さんが弁護士歴30年で、その30年間の間、医療事件にたずさわってきたとしましょう。
先にもお話ししたように、これまでの弁護士業界の歴史において、医療問題に専念してきた弁護士さんというのはごく例外です。
医療事故・医療ミスの問題を取り扱ったことが年平均10件程度(医療裁判が10件という意味ではありません)という弁護士さんも珍しくなく、むしろ年に10件もやっていれば多いほうだと思います。
そうすると、30年間でたったの300件の経験にしかならないのです。
しかも、医療技術の進歩を考えると、この間に勉強した医学的知識で役に立つのは、せいぜい直近の10年分くらいで、使える経験値は100件程度にしかならないわけです(くどいかも知れませんが、これでも随分多いほうだと思います)。
医療事件は、多くの弁護士さんたちが豊富な経験を積める離婚や債務整理などの分野とちがって、弁護士としての経験年数と実際に経験した事件数とが必ずしも一致しないのです。
だから、医療事故・医療ミスの事件を手がけるようになってから30年も経っているのに、経験した医療事件の件数は年数の割にたいしたことがないという現象が起こってしまうのです。
なので、大事なことは、弁護士の経験年数ではなく、医療事件の経験件数だということを知っておいてください。

このような視点から、医療に強い弁護士を探すためのポイントを箇条書きにして整理してみました。参考にしてください。

①その弁護士は、医療事故・医療ミスの仕事に専念している弁護士か、それともそれ以外の分野の仕事もしている弁護士か?
②医学の専門書を大量に法律事務所内に取り揃えているか?
③経験年数よりも経験件数はどのくらいか?

そうは言っても、このような要件を充たしているかどうかをどうやって調べればいいのか、という疑問が沸いてくる人もいるかもしれません。

でも、実はとても簡単に調べる方法があります。
問い合わせをしている弁護士事務所の弁護士さん又は職員に直接尋ねればよいのです。

医療事故・医療ミスに専念していないのに、「専念している」と明確なウソをつく弁護士さんはあまりいないと思います。

言い訳をするとすれば、「専念はしていないが、かなりやっている」とか、「他の弁護士に比べて、医療事件についてはかなりできる方だと思う」などとお茶を濁すことはありえますが、堂々とウソをつく弁護士さんはあまりいないはずです。

なので、臆せずに問い合わせ先の弁護士事務所に直接確認してみてください。

医師免許を持っている弁護士について

医師免許を持っている弁護士を代理人に選任することは、医療ミス・医療事故に関する紛争処理で有利に働くか否か、我々弁護士の間でも議論がありますが、原則として、有利だと考えております。

医師免許を持っている弁護士の専門の診療科目が何であれ、医学を学んできた人の優位性はあると考えるからです。しかし、以下の点には十分注意する必要があります。

第1に、
医師免許を有している弁護士の多くは、医療機関側の顧問をしていると考えるべきです。
これは弁護士の業界では常識となっています。
当然ですが、相談者とトラブルになっている医療機関がその弁護士の顧問先であれば、受任はもちろんのこと、相談に応じることもできません。
その弁護士が顧問をしていることを知らずに、医療相談の問い合わせをしてしまうと、患者側の動きがその医療機関に情報として伝わってしまう可能性があるので注意が必要です。

第2に、
その弁護士が顧問をしていない医療機関であっても、医師や病院間のつながりで、やはり相談に応じることができない場合が想定されます。
医師同士のつながりはとても強いので、しがらみ上、法律相談すら応じることが難しくなってきます。
そのような場合を想定すると、その弁護士の近郊の病院を訴える可能性がある場合には、相談するには慎重になるべきだと思います。

かし、例えば、弁護士が東京で業務を行っていて、訴えたい病院が大阪にあるのであれば、問題は少ないと思います。
いずれにしても、医師免許を有している弁護士は、他の医師との人間関係が強く、患者側の代理人となるのには、限界があることを念頭においておくべきだと思います。

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