医師による総胆管結石の見落としが原因で、患者が敗血症により死亡したことについて、訴訟外の和解によって相手方に過失を認めさせたうえで4000万円の賠償金を獲得した事例
事案の概要
患者さんは、心窩部痛を訴えて救急科を受診しました。CT検査を受けたところ、画像上、尿管結石、総胆管結石(特に乳頭部に陥頓した結石)および胆管拡張の所見がありましたが、医師は尿管結石が心窩部痛の原因であると判断して、翌日に泌尿器科を受診するよう指示して患者を帰宅させました。
翌日、患者が、同じ病院の別の医師による診察を受けた際にも尿管結石と診断されました。その日の夜に、患者は総胆管結石による急性閉塞性化膿性胆管炎(AOSC)からの敗血症によって死亡したため、相談者(患者のご遺族)は弊所にご相談くださいました。
弁護士の方針・対応
証拠保全によって医療記録を入手し、これをもとに調査した結果、有責との判断に至りました。訴訟になれば激しい争いになることを覚悟しながらも、提訴することを前提に、相手方に対して通知書を送ったところ、相手方からは、2000万円程を支払うことで和解したいとの申し出がありましたが、こちらの請求額に満たないため、さらに交渉によって賠償金の増額を目指すことにしました。同時に、強い被害感情を抱いている依頼者をケアしながら、要望に応えるために、医師の過ちを認めさせることを目指しました。
結果
相手の急所を突くような交渉を心がけて、賠償金を1800万円増額することに成功し、最終的には4000万円の賠償金を訴訟外の和解によって獲得しました。さらに、依頼者の求めていた、相手方のミスを認める文言を和解に盛り込むことに成功しました。
この記事の監修
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東京弁護士会所属。弁護士法人ALGでは高品質の法的サービスを提供し、顧客満足のみならず、「顧客感動」を目指し、新しい法的サービスの提供に努めています。
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